物流現場を担う重要な概念のひとつに、マテハンがあります。
この記事では物流の現場改善を考えるうえで欠かせないマテハンについてまとめています。

マテハンとは?

マテハンはマテリアルハンドリング(material handling)の略で、主に機械によるモノの取り扱いを表す言葉です。
物流の現場では様々なモノが動いたり保管されたりしていますが、それら物流のプロセスに必ずついてまわるのがコストの問題。
モノを動かせばコストがかかり、ムダが多いほどそのコストが増大することは周知のとおりです。
物流に伴うコストを最小限に抑えて作業効率を上げるために機械を導入して行う合理化をマテハンといい、そのために用いられる機械をマテハン機器といいます。

物流の現場改善に欠かせないマテハン機器

マテハンおよびマテハン機器は現場改善の有力な策のひとつであると同時に、業務の最適化を行ううえで欠かせない手段でもあります。
モノの管理には運搬や仕分け、保管など様々なプロセスがありますが、マテハンはそれぞれのプロセスごとに導入されるものです。
機器は現場によって多種多様にありますが、いくつか例を挙げてみましょう。

★ベルトコンベア
★運搬用ロボット
★自動仕分け装置
★フォークリフト
★自動倉庫
★自動ピッキングシステム

元々は人の手で行うのに多大な労力を要する作業や、人力の限界を超えた取り扱いを実現するという目的から生まれたものです。
いわゆる動力機器ではありませんが、商品を保管するためのラックや手押しの台車なども広義ではマテハン機器ということができます。

モノの運搬に関する基本原則

最終的にいかに優れた商品を生み出そうとも、完成に至るまでの各工程にムダが多ければ利益は頭打ちになります。
ムダを省いて生産性を高めるためのマテハンを考えるうえで重要になってくるのが、モノの運搬に関する基本原則です。
代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

★活性荷物の原則
★自重軽減の原則
★重力化の原則
★継ぎ目の原則

活性荷物の原則

モノは活性度が高い状態、つまり動かしやすい状態にあるほどよいという考え方に基づく原則です。
バラで管理するよりも梱包をし「手で運ぶよりも台車、」「台車よりもベルトコンベア」を使うというように活性度の高い状態を目指せというものです。

自重軽減の原則

運搬に伴うコストを抑えるための考え方で、運搬に使う容器などの重量をなるべく減らせという原則です。
動線が同じであっても重量が大きくなるほど移動コストは上がるため、運搬容器を含めた自重を抑えるための工夫が重要になってきます。

重力化の原則

運搬の動力として重力を活用せよという原則です。
電力や人力と違って利用するのにコストがかからない重力は、貴重な資源といえます。
この原則に則ったマテハン機器の例には、重カローラーやシューターなどが挙げられます。

継ぎ目の原則

モノの移動と移動の継ぎ目で発生するムダを減らせという原則です。
物流の動線や動力が変わる継ぎ目は、ムダが発生しやすいポイントでもあります。
不要な積み替えや積み下ろしを極力減らすことで、このポイントでのコストダウンを見込むことができます。

マテハンの導入といってもただ闇雲に機械を導入すればいいわけではありません。
導入コストに見合った成果を上げるためには、こうした原則を理解しておく必要があります。
そして各工程の効率化するために最適なマテハン機器の導入を行うことにより、現場改善につなげられるのです。

目標値を明確に

マテハンの導入を行う際にもうひとつ意識しておくべきことがあります。
それは機器を入れることによってどういう成果を得たいかという目標値を明確に設定しておくことです。
この設定がある場合とない場合では、成果にもかなりの差が出てくることは間違いありません。
現状の業務にどういう問題があってそれを解決するために何が必要か、そしてマテハンがどう活かせるのかをよく検討しましょう。
到達すべき目標値は、具体的な数値として設定しておく必要があります。

トラブル発生時の対応についても想定しておく必要がある

マテハンを導入することのデメリットとして、トラブル時の対応が挙げられます。
特に工場の生産工程を自動化するファクトリーオートメーションが導入されているような現場ではマテハン機器のトラブルがラインの停止に直結するため、トラブルに対する備えは必須です。
マテハン機器が停止した際に想定される影響を明確にし、トラブル時の運用フローやマニュアルも策定しておかなくてはなりません。場合によっては手動で業務を続行するための手順策定も必要になるでしょう。

減税や補助金制度の活用

マテハンを導入して効率化を進めることは企業の生産性を上げることを意味し、ひいてはそれが経済及び産業の発展にもつながります。
マテハン機器の導入に際しては減税と補助金を受けられる制度があるので、積極的に活用しましょう。

減税制度には次の2つがあります。

★中小企業投資促進税制
★中央企業等経営強化法

中小企業投資促進税制は、購入価格のうち30%の特別償却もしくは7%の税額控除を受けられる制度で、中央企業等経営強化法は固定資産税の軽減や金融支援の特例措置を受けられる制度です。

補助金制度には次の3つがあり、いずれも対象条件をクリアした場合に制度の適用を受けることができます。

★二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
★ロボット導入実証事業補助金
★エネルギー使用合理化事業者支援事業

それぞれの条件は事業の種類や規模によっても異なるので、事前によく確認しておきましょう。

まとめ

ムダを省くことは、あらゆる業務において共通の課題です。
機器を利用して各工程の効率アップが図れるマテハンを導入することは、物流の現場改善の有効な手段のひとつです。
運搬の基本原則を理解したうえで目標値を明確にして最適なマテハン機器を導入することで、より多くの成果が得られるでしょう。