この記事の要点(2026年10月20日更新)
Q. トラックの荷待ち時間は、1運行あたり平均どれくらい?
国土交通省の2025年度の調査では、荷待ち時間は平均1時間でした。荷役・附帯作業を合わせた「荷待ち・荷役等時間」は2時間2分で、前年度の3時間18分から1時間16分短くなっています。Q. 荷主は何を測ればいい?
トラックの「到着」「荷役開始」「荷役終了」「出発」の4つの時刻です。ここから荷待ち時間と荷役時間を出し、国の目標である「1運行2時間以内」と比べます。出典: 国土交通省「トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果の公表」(2026年7月10日)
高騰する輸送費やドライバー不足に、日々頭を悩ませていませんか。
その解決の鍵の一つが、これまで「仕方ないもの」と見過ごされがちだったトラックの荷待ち時間です。2025年4月から改正物流効率化法が施行され、荷待ち時間を把握して減らすことは、荷主にとっても避けて通れないテーマになりました。
この記事では、国の最新の調査の数字を確認したうえで、荷主が何を測り、どう減らしていけばよいかを、物流改善の現場を支援してきたコンサルタントの立場から解説します。
トラックの荷待ち時間は、1運行あたり平均どれくらい?
国土交通省は、トラックドライバーの1運行あたりの拘束時間とその内訳を調べています。2026年7月に公表された2025年度の結果は次のとおりです。
| 調査年度 | 荷待ち時間 | 荷役時間 | 附帯作業時間 | 荷待ち・荷役等時間(合計) | 拘束時間 | 回答数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020年度 | 1時間34分 | 1時間29分 | 16分 | 3時間19分 | 12時間26分 | 315 |
| 2024年度 | 1時間28分 | 1時間34分 | 16分 | 3時間18分 | 11時間46分 | 1,259 |
| 2025年度 | 1時間 | 48分 | 14分 | 2時間2分 | 10時間13分 | 1,032 |
出典: 国土交通省「トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果の公表」(2026年7月10日)。2025年4月〜8月の通常期の代表的な1日の運行を、実運送を行う一般貨物自動車運送事業者に聞いたもの。
この表から読み取れることは3つあります。
- 減ったのは荷待ち・荷役の時間です。 運転時間は5時間54分から5時間52分とほぼ変わらず、拘束時間の減少(1時間33分)の大部分は荷待ち・荷役等の減少(1時間16分)によるものです
- 国の目標「2時間以内」にほぼ届きました。 ただしこれは平均です。国土交通省も「個別には長い荷待ち・荷役等時間が発生しているケースがある」としています
- 平均が下がった今、長いままの現場は目立ちます。 運送会社から見ると、待たせる荷主とそうでない荷主の差がはっきりしてきました
ドライバー不足の状況は、国の統計を使ったドライバー不足を数字で見るにまとめています。
なぜ荷主が荷待ち時間を測る必要があるのか
法律で、荷主にも短縮が求められている
改正物流効率化法により、2025年4月からすべての荷主と物流事業者に、荷待ち・荷役等時間の短縮などの努力義務がかかっています。国はこの法律に基づく基本方針で、1運行の荷待ち・荷役等時間を2時間以内にする目標を掲げています。
さらに2026年4月からは、一定規模以上の事業者が「特定事業者」に指定されます。荷主の場合は年間の取扱貨物の重量が9万トン以上が対象で、中長期計画の作成、定期報告、物流統括管理者(CLO)の選任が義務になりました。
出典: 国土交通省「改正物流効率化法の施行に伴う義務」、前掲の調査結果の公表資料
特定荷主に当たらない中小の荷主でも、努力義務はかかっています。何より、数字で説明できない荷主は、運送会社から選ばれにくくなります。
放置するとコストに跳ね返る
荷待ち時間はドライバーの拘束時間を延ばし、運賃の上昇や、運送会社からの敬遠につながります。長時間のアイドリングはCO₂の排出にもなり、環境面の説明責任も問われます。運送会社任せにできる問題ではなくなっています。
荷主は何を測ればいい?
まず測るのは4つの時刻
改善の第一歩は、現状を数字でつかむことです。トラック1台ごとに、次の4つの時刻を記録します。
- 到着:敷地やゲートに着いた時刻
- 荷役開始:バースに付けて積み下ろしを始めた時刻
- 荷役終了:積み下ろしが終わった時刻
- 出発:敷地を出た時刻
「到着〜荷役開始」がおおむね荷待ち時間、「荷役開始〜荷役終了」が荷役時間です。私が現場で最初に行うのも、この記録を地道に取ることです。「たぶん待たせている」ではなく、データで課題を特定することがすべての始まりになります。
トラック予約システムを入れている場合は、この時刻がすでにデータとして溜まっていることが多く、新たに記録を始めなくても分析に入れます。
KPIは3つから始める
| KPI | 見方 |
|---|---|
| 平均荷待ち時間 | 全体の水準。国の調査の平均(2025年度は1時間)と比べる |
| 荷待ち・荷役等時間が2時間を超えた運行の割合 | 国の目標を超えている運行がどれだけあるか。平均より改善の手応えが分かる |
| 時間帯別の到着台数 | 荷待ちが起きる原因。到着が特定の時間に集中していないかを見る |
目標は、国の「2時間以内」を上限にしつつ、自社の現状から段階的に決めます。たとえば「2時間超の運行を、まず半分にする」「平均荷待ち時間を現状から20分短くする」といった形です。
荷待ち時間を減らすには、何から手をつける?
到着の集中をならす
効果の大きい打ち手が、トラック予約(バース予約)システムです。到着する時間とバースを事前に決めることで、到着の集中がならされ、荷役の人員も計画的に配置できます。
予約システムがなくても、取引先や運送会社と納品時間の分散を話し合うことはすぐに始められます。時間帯別の到着台数のデータがあれば、話し合いの材料になります。
荷役そのものを短くする
2025年度の調査では、荷役時間も1時間34分から48分へと大きく減りました。事前出荷明細(ASN)を共有して検品を軽くする、パレットで受け渡すなど、荷役の手間を減らす取り組みは荷主が主導して進められます。
まとめ
- 2025年度の国の調査で、荷待ち時間は1運行平均1時間、荷待ち・荷役等時間は2時間2分。前年度から1時間16分短くなった
- 2025年4月からすべての荷主に努力義務、2026年4月から年9万トン以上の特定荷主に計画・報告・CLO選任の義務
- 荷主が測るのは「到着・荷役開始・荷役終了・出発」の4つの時刻。KPIは平均荷待ち時間、2時間超の割合、時間帯別の到着台数から
まずは自社の倉庫のゲート前で、トラックの4つの時刻を記録することから始めてみてください。
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